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2014年3月14日 (金)

真空

「真空の相転移」によって「真空の自発的対称性の破れ」が起きたのだと南部陽一郎博士は考えました。相転移とは水が氷になるようなこと。そのことにより、「○×*@粒子」は質量を持つようになった。

ヒントになったのは「超伝導」で、金属を超低温(臨界温度)にすると電気抵抗がゼロになることです。電気が流れるのは金属内部の電子が自由に動けるからで、自由に動けても原子にぶつかって抵抗が生まれます(電気抵抗)。ところが温度が絶対零度に近い超低温(マイナス260度K)になると、原子の振動(格子振動)の影響で二個の電子(フェルミ粒子)がペアを組み、一つの粒子のようにふるまいます。電子のスピン(自転と方向を持つ)は1/2で、ペアの粒子のスピンはプラス1/2とマイナス1/2でゼロとなり、粒子の性質が変わり、フェルミ粒子からボース粒子へとなります。フェルミ粒子は同時にまったく同じ物理状態をもつことが許されないが、ボース粒子は同時にまったく同じ物理状態なることが可能で(凝縮)、凝縮したペア粒子は一つの波としてふるまい、その結果、電気抵抗がゼロになります(超伝導体)。臨界温度を境にして金属が超伝導体になり、「自発的に対称性が破れた」のです。その結果、電子の電荷も保存されなくなり、南部陽一郎博士は「非常に不快感を感じた」そうです。

超伝導体となった金属に磁石を置くと浮いてしまうのは、磁石から出る電磁波(光)がペア粒子から変化したボース粒子(南部―ゴールドストン粒子)の凝縮と反応(南部―ゴールドストン粒子を吸収する)し、電磁波の質量が増えたのです。その結果、電磁波は光速で走ることができず、金属の表面からほんのわずかの距離しか入り込めないのです(浮く)。

南部陽一郎博士は「真空もまた超伝導体と同じようなしくみになっているのではないか」真空に起きる「凝縮」は粒子―反粒子のペアによって生じるのではないか。真空にも自発的対称性の破れが起きるのではないか、その結果、宇宙が出来た138億年前には質量を持たなかった(光速で走っていた)「○×*@粒子」は、真空に起きた凝縮体との相互作用により質量をもつようになったのではないか、と考えたのです。

初期宇宙には、質量を持たずに光速度で走り回っている粒子に加え、大量の「ヒッグス粒子」が存在し、宇宙空間を満たしていたと考えられ、宇宙の膨張により温度が下がり、気体状態にあったヒッグス場が凝縮し、宇宙の対称性は破れ、真空の相転移がおきたのです。

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