和句誕生
「守る力」本からの引用(137p~)
和歌は・・・、自我、おのれというものを出さない。
自分の気持ちとは別に、立秋といえば「白露」、
「白露」といえば「玉の露置く」という型を使うのです。
その型の中で、広く心の交流を図ります。
なぜそれができるか。
和歌に使われた歌言葉、つまり「型の日本語」が、日本人の感覚の共通項、
いわば「感覚のキーワード」になっているからです。
「梅にうぐいす」といっただけで、そして聞いただけで、
お互いの感覚、感情の扉が開き、頭の中に春の景色、春の日差し、
春の香り、春の鳥の鳴き声、そういったものがふわーっと広がっていく。
これこそが長い歴史の中で鍛えられてきた〝歌の力〟、
そして〝型の力〟が導き出すものだといえるでしょう。
てな訳で、和歌の精神にのっとった、五、七、五、
すなわち「和句」を提案するものであります。
数え方は「一句」としておきます。
で最新作を一句。
哀れ蚊も 酒の恋しき 夜更けかな 生眼
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