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面白かった、しろい本

  • 保江邦夫: 唯心論武道の誕生
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2013年3月26日 (火)

無・有・空・色

「秘伝」4月号を読んでいたら、

多田容子氏(柳生新陰流兵法・小転中伝・こまろばしちゅうでん・剣豪作家)が

「武術に学ぶ会話術」のなかで、色即是空・空即是色について、

「今、手にとったり、目で見たりできるものは、いずれ必ず変化して、

そのものではなくなる。そもそも、そういう形を認識しているのは、

私達のひとつのとらえ方に過ぎないから、実は形がないのに等しい。

逆に今、全く知覚的にとらえられないものも、いずれは形をなしてくる。

それどころか、人間がたまたま感知不能なだけで、現に今も存在している

だから、実体がないもの(=空)も、物理的なもの(=色)とおなじなのだ。」

・・・・・そう考えていけば、「無」と「有」にも、実は境目はないと気づく。

・・・・・人間が定義づけしているものは、どれほど知識を広げても、

必ず「一部分」にすぎない。

この部分的で偏った人為的解釈を離れることが「無」ではないか。

以上のことから、「無」というのは、何も無いのとは反対で、

「すべて」である、という解釈が成り立つ。

武術でも、「無」の境地では五体のすべてが活きて働いている。

全体が、おのおの自由でありながら、つながっている。

ーーーなんと目から鱗だった。

まさに「無」とは「宇宙のエネルギー」と同化することではないのか。