天体衝突破壊学を用いた武術の技があるのだという。天体衝突破壊学のうちの潮汐力を用いるのだという。「ロッシュの限界」という空間の境目のようなものがあり、その境目を越えると、潮汐作用により接近した天体が、衝突する前に、収縮を繰り返して破壊されるのだという。収縮を繰り返して破壊されるのは常に、小さな天体であるらしい。万有引力は距離の二乗に反比例するのにたいして、潮汐力は距離の三乗に反比例するから、近くなるほど急激に大きくなるのだという。
これを会得すると、不思議な事に、何の技においても、「今からこの技をかけよう」とする前に、大きい相手の体は腰が砕けたように、あるいは突然ギックリ腰になったかのように、崩れ落ちてしまうらしい。その正確なメカニズムは、実は誰にも分からないし、説明もつかないらしい。しかし「宇宙の万有引力の法則が、この自然界に偏在しているのならば『ロッシュの限界』もまたこの自然界の隅々にまで浸透している」ということらしい。
達人への道は果てしなく遠いようだが、道はありそうな気がしてきた。
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