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2008年1月17日 (木)

真冬の怪談

いつもの店へ飲みに行った時のこと。

マスターが言うには、「昨晩は大変だった」らしい。

何でも女のお客さんが、「誰か入って来た」と言って、

「そこに座っている」、と誰もいない椅子を指差したそうだ。

何でも、まだ死んでない生き霊らしい。そう言えば思い当たる節がある。

と、此処までは、生き霊を除けばたまに聞く話だ。

そこへ女のお客さんが来て言った。

「今日の夕方に会ったよ、ママと買い物袋を下げて歩いていた」と言った。

「顔を見たか」

「目は合わせていない」

その人は、今日か明日かで、とても出歩けるような状態ではないはずだ。

その女性は感の鋭い人で、いい加減な人ではない。

その場が静かになったのは言うまでもない。

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